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【就労移行支援の選び方】自分に合う事業所を探すポイント・方法を詳しく解説!

仕事のお悩みQ&A
投稿日:2023年11月25日

働いた経験があってもなくても、障害のある方が就職への準備を始めるとき選択肢の1つとなるのが就労移行支援です。就労移行支援の事業所はそれぞれに特色があります。そのため、就職の前につまずくことなく仕事を始めるためには、「自分に合う」事業所を選ぶことが最も大切です。

この記事では、自分に合う就労移行支援の事業所の選び方について解説します。カリキュラム・スタッフ・その他に分けて、チェックすべきポイントと探す方法についてまとめます。就労移行支援の利用を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

そもそも就労移行支援とは

「就労移行支援」は、障害者総合支援法で定められた障害福祉サービスの1つです。就職に必要なスキルや知識を習得するサポートを行います。イメージとしては学校のようなもので、訓練やスキルアップのための場です。働くための場所ではありません。なおサポートの内容は事業所により異なり、事業所ごとに得意分野があります。

就労にかかわる障害福祉サービスには、就労移行支援のほか「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」があります。就労継続支援は、大まかにいうと一般企業での就労が難しい人に働く場所を提供するものです。その点が就労移行支援と大きく異なります。

A型には雇用契約がありますがB型にはありません。そのためB型の方が自由度が高くなる一方で、その分収入面で劣ります。

就労するための障害福祉サービスは上記のように3つありますが、この記事ではそのうちの1つである就労移行支援の選び方を紹介します。

カリキュラムを見るときのポイント

就労移行支援では事業所ごとに独自のカリキュラムを用意していますが、自分に合った事業所を選ぶためには次の4点を確認しましょう。

  • 詳しい内容が公開されているか
  • 希望に合ったスキルが学べるか
  • コミュニケーションスキルが身に付くか
  • 内容・スピードなど柔軟な対応ができるか

1つずつ順に確認していきます。

カリキュラムのポイント|詳しい内容が公開されているか

まず、事業所のWebサイトなどをチェックしてカリキュラムの内容を確認しましょう。「カリキュラム」もしくは「プログラム」一覧などの形で概略は掲載されていても、詳細までは書かれていない事業所がほとんどです。教材、指導法(どんな指導員か、マンツーマンなのか、複数人単位なのか、eラーニングなのか)などがわからないと細かな検討ができません。まずはサイトをよくチェックすることが大切ですが、記載がない場合は見学などのときに確認・質問するようにしましょう。

カリキュラムのポイント|希望に合ったスキルが学べるか

自分の希望に合ったスキルが学べるかどうかも、確認すべき基本的なポイントです。事業所によって、提供しているカリキュラムの内容は異なります。たとえばPCの基本操作とWebデザインでは内容が全く違います。また同じテーマでも、基礎か応用的な内容かでも変わるでしょう。

検討の前に、どんなことに関するどのレベルのスキルが習得できるのかをチェックしましょう。ただしそのためには、自分が何をしたいかを明確にしておくことも必要になります。

カリキュラムのポイント|コミュニケーションスキルが身に付くか

また、コミュニケーションスキルが身に付くカリキュラムがあるかどうかも大切なポイントです。就職して働き続けるためには、仕事上の専門的な知識やスキルだけでなく対人スキルも求められます。就職すると多くの人と関わる必要があるため、コミュニケーションやメンタルのコントロールが重要になるからです。

とくにグループワークがあるかどうか確認しましょう。コミュニケーションは机上で学べるものでもマンツーマンで身に付くものでもありません。就職すると多くの人との関わりの中で仕事を進める必要があるため、その訓練となるグループワークが不可欠だと言えます。

カリキュラムのポイント|内容・スピードなど柔軟な対応ができるか

カリキュラムの進め方が個々に合わせられるかどうかも重要です。障害特性や学習能力、リテラシー(経験値)は一人ひとり異なります。効果的な学習のためには、自分に合わせた内容やスピードでトレーニングを行ってくれるかどうかがカギになります。

eラーニングなどは、スピードは自分に合わせることができますが内容は一律です。また事業所によっては教材の課題をひたすら進めるだけの場合もあります。Webサイトに書かれている情報だけではわからない場合は、問い合わせをしたり、見学時に質問したりして、きめ細かく支援・指導してもらえるか確認しましょう。臨機応変な対応ができないことが不満の原因になることもよくあります。

スタッフを見るときのポイント

自分に合う事業所を選ぶ上で大きなウエイトを占めるのはスタッフです。以下の点を確認しましょう。

  • 精神障害・発達障害のプロがいるか
  • 各カリキュラムのプロがいるか

1つずつ見ていきます。

スタッフのポイント|精神障害・発達障害のプロがいるか

まず、精神障害や発達障害の専門知識を持ったスタッフがいるかどうかを確認すべきです。「生活支援員」として、公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士などの有資格者が在籍している事業所が安心だと言えます。

有資格者がいない事業所も多数あります。就労移行支援の人員配置基準として必須の条件ではないためです。しかしそれだけに、有資格者が在籍していることは「メンタルケア」のリソースをどれだけ保有しているか、どれだけケアを重視しているかのバロメーターになります。

専門知識のあるスタッフが在籍していれば、何かあったときにもアドバイスや対処をしてもらえるなど適切なケアが受けられると言えます。安心して通所することができるでしょう。

スタッフのポイント|各カリキュラムのプロがいるか

当然ではありますが、カリキュラムの内容に精通したプロがいるかどうかも大切です。その分野ごとのプロ、より明確な言い方をすればその分野の仕事経験がある支援員がいるかどうかを確認しましょう。

その分野で働いた経験のない人に教わったとしても、机上の空論で終わってしまいます。そのような支援員がその分野の就職に導くことは難しいでしょう。実務経験のある支援員がいれば実践的なスキルや知識が得られます。

そのほかのポイント

カリキュラム・スタッフのほかにも、次のような事項がポイントとなります。

  • 設備は充実しているか
  • 人間関係・雰囲気はどうか
  • 就職実績はどうか

順に確認していきましょう。

そのほかのポイント|設備は充実しているか

事業所の設備が充実しているかどうかも見ておきましょう。最低限、カリキュラムに必要な備品は確認が必要です。たとえば事務系の場合なら、PCの数や使えるソフトなどが挙げられます。

そのほか、環境・アメニティの面でも自分の気になる点があればチェックしましょう。スペースの広さ、トイレ(数・男女別か)、エレベーターがあるか、休憩スペースがあるかなどです。休みを取れるスペースがあると、不調になったときも安心です。

そのほかのポイント|人間関係・雰囲気はどうか

また、人間関係や雰囲気もよく見ておきましょう。実際に通所するとなると、スタッフとの関係だけでなく利用者との関係も通いやすさに大きく影響します。利用者についてもチェックした方がよいでしょう。

なかなか直接確認することは難しいかもしれませんが、見学に行ったときには問題のある利用者はいそうか見ておきましょう。また通所している人の障害の種別・性別・年齢も、相性を予想する参考になります。

そのほか利用者同士でトラブルになったときに対応してくれるかどうか質問しておきましょう。トラブル防止のため連絡先の交換を禁止している事業所も多くあります。

そのほかにも、場はにぎやかか静かか、休憩中の過ごし方はどうかなども自分にとって心地よいか見ておきましょう。

そのほかのポイント|就職実績はどうか

通所のためだけでなく、そもそもの目的である就職のために卒業後の実績も確認しておく必要があります。一般雇用だけでなく、障害者雇用や特例子会社の実績も確認しましょう。障害者雇用や特例子会社は競争率が高いため、支援員のサポート力、事業所が持つ就職先の候補や実績に左右される面もあるからです。

さらに就職実績だけでなく、就職してからどのぐらい継続して勤務しているかの定着率(就職後6か月)も確認したいところです。働きやすい職場に就職しやすいか、職場で続けられるスキルが身に付くかの判断材料になります。

ただしまだ新しかったりして実績が少ない、あるいはない事業所だからといって信頼できないわけではありません。むしろ実績作りのために熱心に対応してくれる可能性もあります。実績以外のポイントがいいと感じたら、検討する価値は十分にあります。

自分に合っているか確かめる方法

候補となる事業所を見つけたら、以下の方法で確かめて本当に自分に合っているところを選びましょう。

  • 複数の場所を比較検討する
  • 通うルートで行ってみて見学・体験入所する
  • 場合により就労継続支援も検討する

1つずつ確認します。

確かめる方法|複数の場所を比較検討する

いいと思えるところがすぐ見つかったとしても、即決は避けて複数の事業所を比較検討しましょう。事業所には、それぞれ得意/不得意、合う/合わないがあります。いくつかの事業所を比較すると、そういった点も把握しやすくなります。

初めの事業所より合うところが見つかるかもしれませんし、いろいろなポイントを総合的に判断できるようにもなるでしょう。

自分の症状のことを詳しく話して受け入れてくれるかどうか、自分と同じような症状の利用者が入所しているか、入所していたことはあるか、なども比較しましょう。

確かめる方法|通うルートで行ってみて見学・体験入所する

2つ目として、実際に通えるか、続けられるかを確認するために、通所するのに近い形で体験してみることも重要です。

まず最低限、事業所を見学するのは必須です。その場の雰囲気などは実際に見てみないとわかりません。そのため口コミだけで決めると自分には合わない可能性もあります。できるだけ複数の支援員とコミュニケーションを取って、全体的な雰囲気を見ましょう。説明してくれた人とうまくやれそうでも、入所後はふつうその人以外とのやり取りもあるからです。

体験入所できる場合もあり、その場合は体験もした方がよいと言えます。問い合わせるときに質問してみましょう。

また実際に通所する場合と同じルートで事業所に行ってみることでも、通所するときをイメージできます。通うのが負担にならないかを確認しましょう。通所するときと同じ時間帯なら、交通機関の混み具合などもわかります。実際に近い体験ができてなおよいでしょう。

確かめる方法|場合により就労継続支援も検討する

雇用形態を問わず一般企業への就職を考えるなら、まずは就労移行支援を検討すべきです。数ある中から自分に合った就労移行支援の事業所を探すのが基本です。

しかしそれでも合うところがないと感じたら、就労移行支援以外の選択肢も検討しましょう。就労移行支援を受ける段階ではない可能性もあるからです。冒頭で軽く解説した就労継続支援A型・B型などでは、働きながら訓練も受けられます。仕事の内容は事業所によって異なりますが、負担の少ない軽作業が一般的です。

まとめ

就労移行支援は、障害のある人の就職に役立つサービスです。自分に合った事業所を選ぶことで働くための準備も整い、希望する就職に近づくことができます。

入所の前に事業所を比較検討したり実際に見学・体験入所してみたりすることで、事業所選びのピントを合わせることができるようになります。ぜひこの記事で解説したポイントをもとにして、自分に合った事業所を見つけてください。

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