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【うつ病と仕事】やめたい・できない・収入がないの悩みに対処する方法まとめ

うつ病の仕事の悩み
投稿日:2022年11月2日

うつ病の自覚があったりそう診断されたりすると、いろいろなことに影響します。とくに大きな問題となるのは「仕事をどうするか」ではないでしょうか。「仕事をやめたい」「仕事ができない」という今の仕事への対処や、仕事をすでに辞めた結果収入がないことへの対処は、どうしたらいいのでしょうか。

この記事では、うつ病となったときに仕事をどうするか、さらに休養中のお金の問題にどんな対処方法があるかについてまとめます。ぜひ参考にしてみてください。

うつ病は仕事しながら克服できる?

うつ病になった場合、仕事をどうするかは大きな問題です。とは言え、とにかく大事なことは治療して体調回復・寛解を目指すことです。それを第一に考えます。

そのうえで医者・家族・就労支援機関などに相談して、客観的な意見を求めましょう。医者や支援機関は病状をもとに、家族は生活面から考えを話してくれます。

ただし相談は、必ず決断したり手続きしたりする前にしましょう。先に思い切った決断をしてしまうと、後からの変更ができなくなってしまう可能性があります。
選択肢は3つあります。

  • 仕事を続けながら治療する
  • 休職する
  • 退職する

この中から、客観的に考えて自分に一番よいものを選びましょう。それぞれの選択肢について詳しく見ていきます。

仕事を続けながら治療

仕事の内容や勤務の条件を変更できるなら、仕事を続けながら治療するという選択ができます。もちろん続けようと思えば続けられるということが大前提です。「仕事に行けない」と思うなら行くべきではありません。初めにお話したように治療と体調回復・寛解が第一です。そのために次の条件は守るようにしましょう。

  • 生活リズムは整える
  • 通院や服薬は続ける
  • 周囲の理解を得る
  • 無理しない

生活リズムはとくに食事や睡眠の時間帯です。また栄養のバランスや睡眠時間など、質の部分にも気を配りましょう。

また通院や服薬などももちろん続けます。中断してしまうと悪化してしまうリスクが高まります。家族や職場の同僚や上司の理解を得ること・無理をしないことも大切です。

休職する

仕事を続けるのが辛い場合は、勤め先に休職制度があるか確認しましょう。制度があれば休職するという選択肢もあります。制度を利用する場合は内容・条件・期間などについても確認しておきます。

休むと周囲に迷惑がかかると思うかもしれませんが、無理して悪化する可能性を考えれば休職の方がよいと言えます。治療を優先しましょう。

必要な手続きを行って休職します。その場合、休職中の生活費や治療費が問題となります。健康保険の傷病手当など、この記事の後半にまとめてある支援の制度を利用しましょう。

休養中は、規則正しい生活をキープして通院・服薬も続けましょう。

退職する

休職が難しい場合や、今の会社ではどうにも辛い(周囲の環境が変わらない)場合は退職するという選択になります。治療のためにはやむを得ません。ただし医師への相談や家族の了承を得てから最終的に判断しましょう。

上司に退職の意志を伝えて、引継ぎを行います。引継ぎをする余裕がない場合もありますが、それは仕方ないと思って気にするのはやめましょう。有給休暇を消化してから退職となるのが一般的です。

休職と同じく傷病手当など金銭面の制度の確認に加えて、退職の場合は社会保険をどうするか判断しなくてはいけません。保険料などを比べて、次の3つから自分に合う選択をしましょう。

  • 国民健康保険に切り替える
  • 勤務先の社会保険を任意継続する
  • 家族の扶養に入る

退職したら休養に専念します。規則正しい生活と通院・服薬をキープしましょう。

退職した後(もしくは休職中)の生活費(収入)はどうする?

うつ病で仕事ができない状態になったら、問題となるのはお金と治療です。治療については何度も述べたように、規則正しい生活を守りながら通院と服薬を続けます。あとはとにかくしっかり休むことです。

お金については、貯金額やほかの家族の収入などによってお金がどの程度必要になるか変わるでしょう。支援の制度を利用したり負担の少ないアルバイトをしたりして、生活費の対策とすることができます。

解決方法➀ 支援制度・支援機関を利用する

支援制度や支援機関を利用してお金を得る方法があります。病状が重い、貯金がないなどの場合は検討しましょう。次のような制度があり、利用することができます。

  • 傷病手当金
  • 自立支援医療制度
  • 障害年金
  • 失業保険
  • 障害者手帳取得による支援
  • 生活保護
  • 障害者就業・生活支援センター

1つずつ見ていきましょう。

支援制度|傷病手当金

「傷病手当金」は、うつ病を含む病気やケガで働けなくなったときに、健康保険の被保険者とその家族の生活を守るために支給される手当です。業務以外の理由の病気・ケガが対象で、業務が理由の場合は労災となります。

  • 期間:支給を開始した日から通算1年6か月(2022年1月以降に開始の場合)
  • 金額:給与の約2/3(目安 規定あり)
  • 手続き:必要書類(事業者・療養担当者記入部分あり)を加入している協会けんぽ支部に提出(郵送可)

支給開始は支部によって異なりますが、申請後10日~2週間前後が目安です。

支援制度|自立支援医療制度

「自立支援医療制度」は、うつ病ほか精神通院医療などの自己負担に上限額を決めてそれ以上は公費で負担してくれる制度です。治療費の自己負担額を減らすことができます。

うつ病ほか精神疾患などのある人のほか、身体障害者手帳を交付されている人が対象です。

  • 期間:1年(それ以上希望の場合は更新手続きが必要)
  • 金額:通常3割の自己負担が1割に。上限額は所得によって異なる
  • 手続き:必要書類(申請書・診断書など)を市町村の障害福祉課などに提出

受給者証を提示すると支払額が減額されます。

支援制度|障害年金

「障害年金」は、うつ病などの病気やケガをして生活や仕事に支障をきたした場合に受け取ることができる年金です。国民年金か厚生年金の加入者で納付状況などの条件を満たしていれば、現役世代でも受給できます。

国民年金加入者は「障害基礎年金」、厚生年金加入者は上乗せして「障害厚生年金」が支給されます。

  • 期間:等級認定とともに決定(精神の障害は1~3年が目安)
  • 金額:障害の程度による等級や、基礎年金か厚生年金かによって異なる
  • 手続き:必要書類(申請書・診断書など)を市町村の窓口または年金事務所に提出(基礎年金と厚生年金とで異なる)

支援制度|失業保険

「失業保険」は、正式には「雇用保険」の「失業手当」のことをいいます。仕事をしたいのに見つからない人への手当です。

雇用保険に一定期間加入していて、求職活動を行っている人が対象です。うつ病で就労できない状態だったとしても、窓口相談や職業訓練も求職活動と見なされるので受給が可能です。

  • 期間:90~360日(被保険者期間と退職理由により異なる)
  • 金額:退職前給与額の50~80%が目安(規定あり)
  • 手続き:必要書類(離職票など)をハローワークに持参、その後説明会に参加など

病状によっては受給期間の延長手続きも可能です。気になる点があればハローワークで相談してみてください。

支援制度|障害者手帳取得による支援

うつ病の場合、障害者手帳の一種「精神障害者福祉手帳」の交付を受けることができます。1級から3級までの等級が定められており、手帳を取得することにより、税制上の優遇措置が受けられるようになります。

所得の特別控除が受けられるようになり、住民税・所得税の金額を抑えることができます。また自動車税および軽自動車税、自動車取得税の控除も受けることができるようになります。

さらに、前述した「自立支援医療制度」が利用できるため医療費の自己負担額が減額されるほか、公共交通機関や上下水道など公共料金が割引されます。

支援制度|生活保護

「生活保護」は、現金を支給して最低限の生活を送れるように支援する制度です。うつ病ほか病気やケガなど、何らかの理由で働くことができない人などが対象です。受給の条件や重視される点として、資産がないことや親族の支援が受けられないことがあります。

  • 期間:基本的に制限なし
  • 金額:10万~20万円(目安 必要な生活費によって異なる)
  • 手続き:市町村の福祉事務所に申請

なお、たとえば障害年金と同時に受給することはできません。自治体によっては、生活に不要と見なされるテレビなどは売却を求められることもあります。申請はよく考えてからにしましょう。

支援機関|障害者就業・生活支援センター

「障害者就業・生活支援センター」は、おもに就業についてうつ病を含む障害者の支援や相談を行っている機関です。

就業のほか、金銭面の管理や住居・年金などを含む生活面での相談も受け付けています。

解決方法② パート・アルバイト

休養中の収入の問題を解決する方法として、負担の軽いパートやアルバイトで収入を得る方法があります。多少貯金があって緊急性が低い場合などに適しています。もちろん仕事に行ける程度の、比較的症状が軽い場合に限られます。

なお支援制度と組み合わせる場合は確認が必要です。たとえば失業保険は、収入額によっては受給できなくなります。

仕事の内容については、接客は避け単純作業に近いもの・軽い内容の作業を選びましょう。時間帯も選べるとなお良いと言えます。うつ病の場合は朝が苦手な人が多いと思われるので、午後から出勤のような仕事が続けやすいでしょう。ただし生活のリズムが崩れないように注意してください。

勤務先によっては日払いが可能な場合もあり、そのようなところは緊急にお金が必要なときも安心です。負担の軽いパートやアルバイトには、次のパターンがあります。

  • 短期・単発アルバイト
  • 短時間のアルバイト
  • 週1~3日などのアルバイト

1つずつ見ていきましょう。

パート・アルバイト|短期・単発アルバイト

まず、ごく短い期間・回数や1回だけの短期や単発のアルバイトがあります。短期・単発の場合は、軽作業・交通量調査・警備員などの求人が多い傾向にあります。

お中元やお歳暮向けのピッキングなど季節に関係する仕事は、一定期間仕事がありながら出る・出ないの自由度が高いケースもあります。そのような仕事が見つかれば働きやすいでしょう。

ただしすぐに終わるというのは仕事に慣れる前に終わることでもあり、複雑な内容よりは単純な作業の方がおすすめです。

パート・アルバイト|短時間のアルバイト

次に、1回の勤務時間が短いアルバイトがあります。フルタイムではなく1日3~4時間程度で終わる仕事です。仕事の内容としては、軽作業・清掃・ポスティングなどが多くあります。

飲食店などはシフトの自由度が高く短時間でも可の場合もありますが、調理や皿洗いなどの裏方だけではなく接客の可能性もゼロではありません。また早朝の荷受け・閉店後の清掃など、時間帯が決まっている場合もあります。

内容や時間帯が合う仕事を選びましょう。

パート・アルバイト|週1~3日などのアルバイト

らに長期でも出勤する回数・日数が少ないアルバイトも比較的負担が少なくて済みます。続けられれば安定的に収入が得られるでしょう。仕事内容はいろいろあり、ケースバイケースです。

曜日を自由に選べる場合もありますが、曜日が決まっている場合もあります。シフトの日数が少なくてもOKの仕事と、単発を常時募集している場合とに分かれます。どちらも毎回違う人がいる可能性が高いでしょう。ある程度メンバーは固まってくるものですが、とくに単発の常時募集は人の入れ替わりもあります。

仕事の内容に加えて、知らない人がいると疲れてしまう場合は注意しましょう。

まとめ

うつ病と診断されたら、仕事を続けながら治療する・休職する・退職するの中から病状や状況に合わせて選択しましょう。お金の面については支援の制度を使用したり負担の少ないアルバイトをしたりして対策しましょう。

しかし繰り返しになりますが、まずは体調の回復と寛解を第一に考えましょう。通院や服薬を続けるのはもちろん、支援機関や周囲の人との関係を保ちながら休養と治療を最優先してください。

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