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就労移行支援は意味ない?やめとけと言われる理由。ミスマッチを防ぐ方法は?

仕事のお悩みQ&A
投稿日:2024年9月24日

就労移行支援を受けようとして情報を集めていると、就労移行支援は意味がないという意見を見かけることがあります。それは本当なのでしょうか。

確かに、中には意味がないと感じる人がいるのは事実です。そのほとんどはミスマッチが原因となっています。ミスマッチを避けるためには、自分に合うかどうかあらかじめ確かめておく必要があります。

この記事では、就労移行支援が意味ないと言われてしまう理由について解説します。自分の場合どうか意識しながらお読みください。

「就労移行支援に向いてない人」の特徴

まず初めに、就労移行支援に向いていない人の特徴を確認しましょう。以下のようなタイプの人は向いていないと言えます。

  • すぐに就職したい
  • 一定の経験・スキルがあり、それを伸ばして就職したい、または専門性の高いスキルを学びたい
  • 体調がまだ安定していない

1つずつ見ていきましょう。

すぐに就職したい

合わない人として初めに挙げられるのは、すぐに就職したいと考えている人です。就労移行支援事業所は、仕事を続けられる状態になるための訓練を行う場所です。そのため、トレーニングを受けるよりもすぐに働き口を見つけたいような場合は、就労移行支援事業所の目的から外れてしまいます。

ただし自分では訓練の必要がないと思っていても、訓練を受けた方がよいケースもあります。くわしくは次に述べます。

一定の経験・スキルがあり、それを伸ばして就職したい、または専門性の高いスキルを学びたい

次は、社会人経験があるなど、基本的なビジネスマナーや実務スキルが身に付いている人です。すでに身に付いている実務スキルを伸ばしたい場合、希望に合わないケースもあります。就労移行支援で学べるのは基礎が多いためです。

ただし実務以外の足りないスキルを補うために活用できるケースもあります。たとえば生活管理スキル、コミュニケーションスキル、障害特性に合わせて働くスキルなどです。その場合は、実務スキルや専門性の高いスキルは自己学習して伸ばせばよいでしょう。

そもそも、そういった希望に応えてくれるような柔軟性のある就労移行支援所を選ぶことが大切だとも言えます。そうでない事業所を選んでしまうと、後悔することになってしまいます。

体調がまだ安定していない

体調がまだ安定していない人にとっても、就労移行支援は適したサポートではありません。事業所で人に会うことや外出すること、交通機関で通所することそのものが難しくなってしまう可能性があります。

また体調がまだ安定していないのに本人に自覚がない場合もあるので、注意が必要です。医師や周囲の意見を聞いて判断しましょう。

就労移行支援はやめとけと言われる理由

次に、「就労移行支援はやめとけ」と言われる理由についてまとめます。以下の点が挙げられます。

  • 支援の内容・レベルが合っていない
  • 支援が一律的(自分に合った支援をしてくれない)もしくは支援内容が薄いと感じる事業所もある
  • 就職できない場合がある
  • 基本的にアルバイトできない  

1つずつ見ていきましょう。

支援の内容・レベルが合っていない

まずやめとけと言われる理由の1つ目として、支援の内容やレベルが合っていないケースがあることが挙げられます。たとえばプログラミングを学びたいのに単純作業しか対応していないといったように、自分が学びたいスキルとは別の内容しか学べない場合です。

あるいは、すでに知っていることを学ぶことになる場合も同様です。たとえば社会人経験があって、ビジネスマナーを教わる必要はないようなケースが当てはまります。すでに一定のスキルがありそれを伸ばしたいのに、基礎しか学べないと不満になるでしょう。

支援が一律的(自分に合った支援をしてくれない)もしくは支援内容が薄いと感じる事業所もある

次に理由として挙げられるのは、一部の事業所は支援が一律的だったり支援内容が薄かったりすることです。

よくあるのは、支援がeラーニング中心になっているケースです。eラーニングだと、個々のスキルレベルの違いへの配慮が欠けた一律的な支援になりがちです。メンタル/非メンタルカリキュラムのいずれにおいても当てはまります。

また、個々の障害特性に配慮したサポートが薄かったり、個々の障害特性に合わせたメンタル系のカリキュラムが不十分だったりするケースもあります。

さらに就活サポートが薄い場合も同様です。履歴書の書き方や面接のコツなど机上のノウハウだけしか教えてくれず、面接練習など実践的なサポートをしてくれないケースなどです。そのほか面接同行してくれない、推薦状を書いてくれないなどサポートが不足していることもあります。

就職できない場合がある

また、就労移行支援を受けても就職できないこともあるので、そのせいでやめとけと言われる場合もあります。

しかし就労移行支援は転職エージェントなどのような就職先のあっせんが目的ではありません。まだ働ける状態にない人が長く働けるようになるよう、メンタルやスキルを整えることが目的です。就職できない可能性があることは理解しておくべきでしょう。

また就労移行支援で就職のサポートは受けられますが、事業所任せにできるわけではありません。自分で自発的に行動する必要もあります。事業所がどうにかしてくれるという認識そのものがズレてしまっていると言えるでしょう。

基本的にアルバイトできない

基本的にアルバイトができないのも就労移行支援の不満となりやすい点です。収入がなくなるため、通所を続けるのが困難になることもあります。

また訓練としての作業にもかかわらず、アルバイトのような対価が欲しくなるケースもあります。そのような場合、「働いているのにお金にならない」と感じて不満につながることが少なくありません。

そもそも就労移行支援とは

そもそも就労移行支援とは、障害のある方の就職と職場への定着をサポートするための通所型の福祉サービスです。就職して仕事を続けられるようになるために、職業訓練や職業紹介を行います。すでに何度か軽く述べた通りです。

就労移行支援事業所では、2年以内に一般企業に就職することを目指します。長く働くための基盤を作ることが目的です。たとえば、規則正しい生活を送る、自己理解を深め自己管理の方法を知るなどです。

就労移行支援は、すぐに結果が出るようなサポートではありません。その点は理解しておきましょう。

【タイプ別】就労移行支援が意味ある理由

就労移行支援では、障害に対する理解に裏打ちされたサポートが受けられます。障害者向けの就職サポートとしては、ほかに障害者向けの転職エージェントや人材派遣もあります。そういったサービスのコンサルタントと比べると、一般的には就労移行支援の方が一人ひとりに対して親身かつ濃いサポートを受けることが可能です。

就労後も長く働くための支援があるところが多く、定着のサポートが受けられます。その点も就労移行支援ならではです。

以下の3つのタイプ別に、それぞれの就労移行支援のメリットについて解説します。

  • 希望の仕事がまだはっきりしていない人
  • 希望の仕事がはっきりしている人
  • 就職活動に不安のある人

順に見ていきましょう。

希望の仕事がまだはっきりしていない人

希望の仕事がまだはっきりしていない人の場合、サポートを受ける中で得意なことと苦手なことを自覚できるのが大きなメリットとなります。その結果、得意なことが活かせる仕事が絞られキャリアの方向がはっきりしていきます。

さらに社会人経験がない場合は、実務スキルやビジネスマナーをゼロから習得することができます。就労することへの不安を減らし安心材料を増やすことにつながるでしょう。

希望の仕事がはっきりしている人

希望の仕事がはっきりしている人の場合、客観的なアドバイスによって新たな発見や方向性の転換ができる点が大きなメリットです。より自分に適した仕事を見つけるきっかけになるかもしれません。

さらに自分に合う事業所を選べば、希望に合わせたスキルを身に付けることができます。とくに基礎から学びたい場合は対応している事業所も多いでしょう。

就職活動に不安のある人

就職活動に不安のある人の場合、やりたい仕事と自分に合っていて長く働けられる仕事の見極めができるようになるのがメリットです。

自分に合う仕事がわかれば、仕事選びにおいてもオープンで就活すべきかクローズで就活すべきかの判断がしやすくなるでしょう。さらに、障害者雇用や特例子会社なら就労移行支援を介した方が有利となります。

さらに就職後に向けても、障害を抱えながら長く働き続けるためのトレーニングもできます。加えて就職後のサポート(定着支援)を受けることが可能で、その点でも長く続けやすくなるでしょう。

就労移行支援の「合わない」「無駄」を防ぐ方法

最後に、就労移行支援の「合わない」「無駄」を防ぐ方法について解説します。以下の方法があります。

  • 事業所で学べる支援内容を確認する
  • 見学時や体験利用時に支援員によく相談する(いろいろ聞いてみる)
  • 雰囲気を確認する

中には、就労移行支援そのものが合わない人もいます。また、マッチする事業所と合わない事業所もあります。上記の方法を試すことで、それらの見極めができるようになるでしょう。では、1つずつ見ていきます。

事業所で学べる支援内容を確認する

提供しているカリキュラム内容と、それを通じて学べるスキルを確認しましょう。一律で同じカリキュラムの場合もあれば、個々に合わせる場合もあります。一律の場合はとくに注意が必要です。

自分の希望に内容が合っていない場合、事業所そのものが合わないことになってしまいます。内容とレベルの両方が自分に合っているかどうかも大切です。すでに述べたように、発展的なスキルを習得したいのに基礎しか対応していない場合ミスマッチとなるからです。

見学時や体験利用時に支援員によく相談する(いろいろ聞いてみる)

事業所の実態を知る手段として、見学時や体験利用時に支援員に質問・相談することも役立ちます。

質問や悩みに対して、回答が納得できるかどうか、解決策を提示してくれるかどうかは大きな指標となります。実際の就職実績や定着率も確認しましょう。配慮してほしいこと、学びたいこと、就職に対する希望などを叶えられそうかも重要です。

なお過度な入所の勧誘は要注意です。利用者数を増やしたいだけという可能性があります。

雰囲気を確認する

事業所や支援員の雰囲気を確認することも大切です。主な手段としては、見学、口コミなどが挙げられます。確認する際は、案内してくれる担当者だけでなく実際の支援員はどうかにも注意しましょう。

さらに、通所しているほかの人の雰囲気も見ておくのがおすすめです。事業所の雰囲気は、活気のあるところもあれば静かなところもあります。事業所の雰囲気は、事務所の方針とともに通所している人にも左右されます。

自分に合う就労移行支援事業所を選ぼう

「意味ない」「やめとけ」と言われるような就労移行支援への不満は、ミスマッチが原因となっていることがほとんどです。自分の希望と支援内容のミスマッチ、自分の状態とサービスの形態のミスマッチなどです。

そのため、自分に合う就労移行支援事業所を選べば余計な不満を感じずに済みます。むしろ就労に向けて大きなプラスとなるでしょう。この記事を参考に、自分に合う事業所を探してみてください。

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