
強迫性障害の人に向いている仕事は?在宅でできる仕事と症状の重さ別の働き方
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「確認を繰り返していて仕事が遅い・終わらない」
「職場の共用品に触れることがストレス」
「今の仕事を続けるより、在宅勤務や転職を選んだほうがよい?」
強迫性障害の症状が仕事に影響してしまい、自分に向いている仕事を探している人は少なくありません。
強迫性障害といっても、症状・重さなどはさまざまで、全員に向いている職種はありません。
通勤や対人接触の負担を減らせる在宅勤務など、検討しやすい仕事はありますが、かえって症状が悪化する場合もあるため、注意が必要です。
この記事では、強迫性障害の人が検討しやすい仕事の具体例と、症状の重さに応じた働き方について解説します。
強迫性障害の人に向いている仕事は一律ではない

強迫性障害といっても、「どのようなことが頭から離れないのか」「どのような行為を繰り返してしまうのか」は、人によりさまざまです。
症状の強さにも個人差があるでしょう。
どのような仕事が向いているかは、強迫性障害の症状だけではなく、それぞれの職務経験・スキルなどにも左右されます。
また、一般雇用と障害者雇用では、働きやすさに違いがあるでしょう。
強迫性障害による負担を減らしながら、自分の能力を生かしていける仕事・働き方を検討することが大切です。
強迫性障害の人が検討しやすい仕事

「こういう働き方ならできるかもしれない」と考えてみましょう。
強迫性障害の症状による負担を減らしながら働ける仕事をご紹介します。
| 希望する働き方 | 仕事の候補 |
| 自宅で働きたい | 在宅事務WebライターWeb制作プログラミング |
| 人との接触を減らしたい | 倉庫作業品出しバックヤード業務 |
| 決められた手順で働きたい | 事務補助軽作業製造補助 |
| 一人で責任を抱えたくない | チーム制の事務社内サポート制作アシスタント |
| 短時間から始めたい | 障害者雇用の事務補助軽作業パート勤務 |
在宅でできる仕事

在宅の仕事であれば、人との接触・共用設備を触らなければいけない負担を減らせるでしょう。
また、強迫行為をやめられなかったとしても、在宅であれば、人目を気にする必要がありません。
ただし、在宅の場合、人の目がないため、確認を繰り返すことをやめられず、作業に膨大な時間がかかってしまうかもしれません。
確認強迫・完璧主義の人は要注意です。
【在宅でできる仕事】
| 在宅事務・データ入力 | 入念にチェックできる |
| Webライター | じっくり推敲できる |
| Webサイト・ECサイトの更新 | 手順が決まっている |
| プログラミング・Webデザイン | 細部へのこだわりが生かされる |
| 動画編集 | 緻密さが高品質につながる |
| 経理・記帳代行 | 正確であることが重宝される |
| メール・チャットサポート | 落ち着いて対応できる |
人との接触が少ない仕事

「できれば出勤して仕事したい。でも、強迫症状が仕事の支障にならないか不安だ」という場合、人との接触が少ない仕事を選ぶという方法もあります。
人と接する場面が強迫行為のきっかけになる場合、その機会を減らせるでしょう。
ただし、不潔恐怖が強い場合、清掃や共用品を扱う仕事が負担になることもあります。
強迫性障害の症状との相性を考えて決めましょう。
【人との接触が少ない仕事】
| 倉庫作業 | 集中しやすい |
| 品出し | 作業内容が明確 |
| バックヤード業務 | 丁寧さを生かしやすい |
| 施設管理 | 点検や巡回を自分のペースで行える |
| 一部の清掃業務 | 作業内容がシンプル |
手順や業務範囲が決まっている仕事

「曖昧さ」が気になる人には、手順や業務範囲が決まっている仕事が向いているでしょう。
- 順序強迫・計画強迫により、曖昧さを許せない
- 完璧でないといけないと思っている
上記のような人の場合、「ここまでの作業を行えば業務完了」とはっきりしていることで、自分で判断する負担を減らせます。
ただし、検品やデータ入力は、過剰に確認行為を繰り返してしまう可能性があるため、注意しましょう。
【手順や業務範囲が決まっている仕事】
| 事務補助 | 業務範囲が限定的 |
| 軽作業 | 一定の手順に沿って作業できる |
| 製造補助 | 担当工程が明確 |
| 定型的な社内業務 | 突発的な対応が少ない |
チームで分担して進める仕事

強迫性障害の人には、チームで分担して進める仕事が向いている場合もあります。
次のような理由です。
- 「確認」を1人でしなくてよい
- 責任を1人で抱えなくてよい
- 作業を終える基準を作りやすい
- 「ここまででOK」という客観的な基準を得られる
責任をチームで共有できる職場環境であれば、「自分がやらなければ」という重圧がないため、強迫性障害の負担を減らして働けるでしょう。
困ったときに気兼ねなく確認・相談できる環境であることも大切です。
ただし、チームで作業をすることが、かえってストレスになることもあります。
「自分のミスでチームに迷惑をかけたらどうしよう」という場合などです。
その場合には、1人でできる作業内容の仕事を選ぶ方がよいでしょう。
【チームで分担して進める仕事】
| チーム制の一般事務 | 業務を分担できる |
| 社内サポート | 周囲に相談・確認しながら進めやすい |
| 制作アシスタント | 指示や手順に沿って進めやすい |
| 障害者雇用のバックオフィス業務 | 業務量・担当範囲を調整してもらえる |
【注意】強迫性障害の人に向いている仕事が症状を悪化させるリスク

強迫性障害の人に向いているとされる仕事であっても、場合によっては症状を悪化させてしまう可能性があります。
例えば、確認作業をする仕事は、強迫性障害の人の慎重さが生かされる仕事ですが、「何回確認しても安心できない」という強迫行為がエスカレートする危険もあります。
向いていると思って選んだ仕事が原因で、むしろ症状が悪化してしまうこともあるのです。
自分に合う仕事でも、「もしかしたら症状悪化につながるかもしれない」という可能性に注意しましょう。
| 仕事・働き方 | 合いやすい点 | 悪化リスク |
| 在宅勤務 | 通勤・対人接触を減らせる | 確認行為をやめられない |
| データ入力 | 手順が明確 | 入力ミスが気になり、見直しが終わらない |
| 清掃 | 短時間勤務を選びやすい | 不潔恐怖を刺激される |
| 検品 | 判断基準が明確 | 見落としへの不安が続く |
| Web制作 | 在宅で働きやすい | 完璧の追求がやめられない |
症状の重さによって向いている働き方も変わる

強迫性障害は、WHO(世界保健機構)の報告によると、「生活上の機能障害をひきおこす10大疾患の一つとされています。[※1]
治療によって症状の改善が期待できますが、日常生活や仕事に支障が出てしまうこともあります。[※2]
症状の重さによって、向いている働き方も変わってくるため、自分の症状に合わせて働き方を選びましょう。
[※1]参考:国立精神・神経医療研究センター(NCNP)「こころの情報サイト」
[※2]参考:厚生労働省「強迫性障害(強迫症)の認知行動療法マニュアル (治療者用)」
軽症・症状が安定している:クローズ就労
症状が軽く、安定している場合には、クローズ就労も選択肢の一つです。
クローズ就労とは、障害や病気があることを勤務先に伝えないで、一般雇用枠として働くことです。
【症状が軽い場合の働き方】
- クローズ就労
- 得意・不得意で考える
- 希望の職種
- 症状が出にくい仕事
クローズ就労の場合、障害のための配慮は求めにくいでしょう。
しかし、オープン就労の場合よりも求人の幅が広がることがメリットです。
強迫性障害に縛られず、経験・得意不得意・希望などを優先して仕事を選べるでしょう。
ただし、症状が出やすくなってしまう業務が含まれていないか確認して、確認しておきましょう。
仕事に影響が出ている場合:オープン就労・障害者雇用など
強迫性障害の症状のために、仕事に影響が出ている場合には、一般雇用枠のオープン就労や障害者雇用を検討してみましょう。
オープン就労とは、障害や病気について勤務先に伝えたうえで働くことです。
オープン就労であれば、通院に理解を得られたり、仕事内容に配慮してもらえたりします。症状を抱えていても仕事を続けやすいでしょう。
【仕事に影響が出ている場合の働き方】
- 一般雇用枠のオープン就労
- 障害者雇用
- 短時間勤務
- 残業制限や通院日の確保を優先
症状が強く出やすい作業を把握し、必要に応じて業務を調整できる環境を選択しましょう。
日常生活・安定した勤務に支障がある:障害者雇用・特例子会社など
強迫性障害の症状が強く、日常生活に支障があったり、安定して勤務したりすることが難しい場合もあります。
そのような場合には、次の選択肢を考えてみましょう。
【日常生活・安定した勤務に支障がある】
- 障害者雇用:障害のある人のため、企業が配慮して採用する仕組み
- 特例子会社:障害のある人が働きやすい環境を整えた企業
- 就労移行支援:一般就労に向けて訓練や支援を行う
- 就労継続支援(A型・B型):働く機会や支援を提供する
症状に応じた配慮を相談できることで、心身の負担を抑えて働いていけるでしょう。
| 障害者雇用 | 配慮を受けながら働きやすい |
| 特例子会社 | 障害に応じた職場環境で働ける |
| 就労移行支援 | 働くための準備を段階的に進められる |
| 就労継続支援 (A型・B型) | 支援を受けながら自分の状態に合わせて働ける |
自分に合う仕事を1人で探すのが難しい場合

「自分に向いている仕事が分からない」
「どうやって探せばいいのか分からない」
そのような場合には、就労支援サービスを活用する方法があります。自分の状況や目的に合わせて選びましょう。
| 支援機関・サービス | 主な支援内容 | こんなときに |
| ハローワーク(専門窓口) | 職業相談、求人紹介、応募支援など | 障害や症状に配慮した仕事を探したい |
| 地域障害者職業センター | 職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ支援など | 自分の職業上の課題や適性を整理したい |
| 障害者就業・生活支援センター | 就職・職場定着・生活面まで支援 | 仕事と生活の両面について相談したい |
| 就労移行支援 | 就職に必要な訓練、就職活動、職場定着などを支援 | 一般企業への就職に向けて準備したい |
| 就労継続支援A型 | 雇用契約を結び、支援を受けながら働く機会を提供 | 一般企業での就労が難しく、支援を受けながら働きたい |
| 就労継続支援B型 | 雇用契約を結ばず、自分の状態に合わせて働く機会を提供 | 体調や症状に合わせながら働く経験を積みたい |
| 【ハローワーク(専門窓口)】 | |
| 支援内容 | 職業相談、求人紹介、応募支援など |
| こんなときに | 障害や症状に配慮した仕事を探したい |
| 地域障害者職業センター | |
| 支援内容 | 職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ支援など |
| こんなときに | 自分の職業上の課題や適性を整理したい |
| 障害者就業・生活支援センター | |
| 支援内容 | 就職・職場定着・生活面まで支援 |
| こんなときに | 仕事と生活の両面について相談したい |
| 就労移行支援 | |
| 支援内容 | 就職に必要な訓練、就職活動、職場定着などを支援 |
| こんなときに | 一般企業への就職に向けて準備したい |
上記を利用すれば、次のような支援を期待できるでしょう。
- オープン・クローズの判断
- 配慮してもらうことの整理
- 面接対策
- 職場への定着
強迫性障害で困難を感じる生活のなかで、次の職場を自分だけで考えるのは難しいものです。
1人で抱え込まずに、相談できる場所を活用していきましょう。
支援を受けながら働くのであれば、就労継続支援A型・B型という選択肢もあります。
| 就労継続支援A型 | |
| 支援内容 | 雇用契約を結び、支援を受けながら働く機会を提供 |
| こんなときに | 一般就労が難しく、支援を受けながら働きたい |
| 就労継続支援B型 | |
| 支援内容 | 雇用契約を結ばず、自分の状態に合わせて働く機会を提供 |
| こんなときに | 体調や症状に合わせながら働く経験を積みたい |
それぞれの状況に合わせた職場選びをしよう
強迫性障害の症状や程度は、人によって異なるため、全ての人に一律に向いている仕事はありません。
例えば、在宅勤務も、症状によっては負担になる場合があります。
仕事を選ぶときには、自分の症状に合った職種・就労形態を考えることが大切です。
まずは、今の仕事の困りごとを整理し、自分に必要な条件や配慮を明確にして、転職先を探しましょう。







